胆石の手術費用はいくら?日帰りと入院の違い・自己負担の目安を解説
大阪・梅田の大阪日帰り外科胆のう・胆石クリニック、院長の岩村宣亜です。
「胆石の手術を勧められたものの、費用はいくらかかるのだろう」「入院が必要になると、負担が大きくなるのでは」と、費用への不安から手術をためらう患者さまは少なくありません。
胆石の手術(腹腔鏡下胆のう摘出術)は健康保険が適用される手術で、窓口での自己負担は年齢や所得に応じて1〜3割です。さらに、高額療養費制度により、1か月の医療費の自己負担には上限が設けられています。ただし、入院の有無や術前検査の内容によって、実際にお支払いいただく金額は変わります。
この記事では、胆石の手術費用について、日帰り手術と入院手術の費用の違い、3割・2割・1割負担の場合の目安、民間の医療保険の給付金など、手術前に知っておきたいポイントを解説します。
結論|胆石の手術は健康保険が使えます
胆石の治療として行う腹腔鏡下胆のう摘出術は、健康保険が適用される手術です。手術料は、国が定める診療報酬点数表によって全国一律で決められており、窓口では年齢や所得に応じて、その1〜3割をお支払いいただきます。
目安として、手術料のみでは、3割負担の方で64,500円です。実際の費用には、麻酔料や手術前の検査費用が加わり、入院する場合は入院料や食事代などもかかります。一方、1か月の自己負担が一定の額を超えた場合は、高額療養費制度によって超過分が払い戻されます。
手術費用の総額は、入院の有無や検査の内容、負担割合によって患者さまごとに異なります。費用の仕組みを知っておくと、医療機関から受ける費用の説明も理解しやすくなります。
腹腔鏡下胆のう摘出術は保険適用の手術です
保険診療の費用は、診療報酬点数表の「点数」で決められており、1点=10円で計算します。内視鏡(腹腔鏡)で行う胆のう摘出術は、「腹腔鏡下胆嚢摘出術(区分番号K672-2)」として21,500点、手術料にすると215,000円と定められています1)。
この点数は、大学病院でもクリニックでも同じです。保険診療であれば、手術料の基本点数が医療機関の規模によって変わることはありません。
3割・2割・1割負担の場合のお支払い額
窓口での負担割合は、年齢と所得によって次のように決まっています2)。
| 年齢 | 負担割合 |
|---|---|
| 70歳未満 | 3割 |
| 70〜74歳 | 2割(現役並み所得の方は3割) |
| 75歳以上 | 1割(一定以上の所得の方は2割、現役並み所得の方は3割) |
手術料215,000円に対する自己負担額は、負担割合ごとに次のとおりです。
| 負担割合 | 手術料の自己負担額 |
|---|---|
| 3割 | 64,500円 |
| 2割 | 43,000円 |
| 1割 | 21,500円 |
上記は手術料のみの金額で、麻酔、検査、薬剤、入院などの費用は含まれていません。費用の内訳については、この後の「手術費用の内訳」で解説します。
入院の有無で変わる費用
手術料や麻酔料、手術前の検査費用は、日帰り手術でも入院手術でもかかります。両者で主に違いが出るのは、入院に伴う費用です。
日帰り手術では入院料・食事代がかかりません
日帰り手術は、手術を受けたその日にご自宅へ帰る外来での手術です。入院しないため、入院料や入院中の食事代、差額ベッド代はかかりません。
ただし、日帰り手術はどなたでも受けられるわけではありません。胆のうの炎症が強くないこと、全身麻酔に支障となる重い持病がないこと、手術当日にご自宅で見守ってくれる方がいることなど、条件が合えば日帰り手術が可能です。条件が合わない場合は、入院での手術が適しています。
日帰り手術の条件については「胆石の入院期間はどのくらい?日帰り手術の適応と費用も解説」で詳しく解説しています。
入院手術で加わる費用(入院料・食事代・差額ベッド代)
入院して手術を受ける場合は、手術・麻酔・検査の費用に加えて、次の費用がかかります。
- 入院料:入院日数に応じてかかります。胆石の手術では、入院期間を2泊3日〜1週間程度としている医療機関が多くあります。
- 食事代:一般の方は1食550円(2026年6月から)で、1日3食で1,650円です1)。負担割合にかかわらず定額で、高額療養費の対象にもなりません。
- 差額ベッド代:個室など、希望して特別な病室を利用した場合にかかる費用です。健康保険は使えず全額自己負担で、金額は医療機関や部屋によって異なります。
- その他:病衣やタオルのレンタル、日用品などの費用がかかることもあります。
手術費用の内訳
胆石の手術でお支払いいただく費用は、大きく「手術料と麻酔料」「手術前の診察・検査の費用」「手術後の診察・病理検査の費用」の3つに分けられます。入院する場合は、これらに入院に伴う費用が加わります。
手術料と麻酔料
腹腔鏡下胆のう摘出術は、全身麻酔で行います。通常の腹腔鏡手術に用いる全身麻酔の基本点数は、麻酔時間が2時間までの場合、6,500点(65,000円)です1)。2時間を超えた場合は所定の加算が適用されます。
患者さまの状態や麻酔管理の内容によって、別の点数や加算が適用されることがあります。手術料と麻酔料(2時間以内の場合)の合計280,000円に対する自己負担額は、次のとおりです。
| 負担割合 | 手術料+麻酔料の自己負担額 |
|---|---|
| 3割 | 84,000円 |
| 2割 | 56,000円 |
| 1割 | 28,000円 |
このほか、手術中に使う薬剤や医療材料、麻酔の管理などの費用が加わります。
手術前の診察・検査の費用
手術の前には、診察に加えて、胆石の状態や全身麻酔を安全に行えるかどうかを確認するための検査を行います。主な検査は次のとおりです。
- 血液検査
- 腹部超音波(エコー)検査
- CTやMRI(MRCP)などの画像検査(必要に応じて)
- 心電図・胸部X線・肺活量検査(全身麻酔の前の検査)
検査費用は、どの検査を行うかによって変わります。ほかの医療機関ですでに受けた検査の結果や画像をお持ちいただくと、同じ検査を繰り返さずに済む場合があります。
それぞれの検査でわかることは「胆石の検査方法とは?血液検査でわかるのか、エコーやCTとの違いを解説」で解説しています。
手術後の診察・病理検査の費用
手術後は、傷の状態や体調を確認するための診察を行います。また、摘出した胆のうについては、がんなどの病変が隠れていないかを顕微鏡で詳しく調べる病理検査を行うのが一般的です。これらの費用も、負担割合に応じてお支払いいただきます。
なお、手術前の検査と手術、手術後の診察の月が分かれる場合、高額療養費は月ごとに計算します。
高額療養費制度で自己負担を抑えられます
手術を受けた月の医療費が高額になった場合でも、高額療養費制度により、1か月の自己負担額には上限が設けられています。胆石の手術を検討している方は、ご自身の上限額をあらかじめ確認しておくと安心です。
1か月の上限額を超えた分が払い戻される仕組み
高額療養費制度は、同じ月(1日から末日まで)に医療機関の窓口で支払った自己負担額が上限額を超えた場合、その超過分が払い戻される制度です。70歳未満の方は、医療機関ごと、かつ入院と外来ごとに計算し、21,000円以上の自己負担額を合算できます。上限額は年齢と所得によって決まっており、2026年8月からは次の金額に見直されています3)。
70歳未満の方の1か月の上限額(2026年8月から)
| 年収の目安 | 1か月の上限額 |
|---|---|
| 約1,160万円〜 | 270,300円+(医療費−901,000円)×1% |
| 約770万〜1,160万円 | 179,100円+(医療費−597,000円)×1% |
| 約370万〜770万円 | 85,800円+(医療費−286,000円)×1% |
| 〜約370万円 | 61,500円 |
| 住民税非課税の方 | 36,900円 |
例えば、70歳未満で年収約370万〜770万円の方が、1か月の医療費の総額50万円(3割負担で15万円)の治療を受けた場合、上限額は87,940円です。窓口で15万円を支払った場合も、後から約6万2千円が払い戻されます。
なお、入院中の食事代や差額ベッド代、保険が使えない費用は、高額療養費の対象になりません。また、2026年8月からは、1年間の自己負担額の合計にも上限(年間上限)が設けられました。2027年8月にも見直しが予定されているため、最新の金額は加入している健康保険でご確認ください。
事前に手続きすると窓口での支払いを抑えられます(限度額適用認定証・マイナ保険証)
高額療養費は、いったん窓口で自己負担額を支払い、後から加入している健康保険に申請して払い戻しを受けるのが基本です。
ただし、マイナ保険証で受診し、限度額情報の提供に同意すると、窓口での支払いは最初から上限額までに抑えられます。資格確認書をお使いの方は、事前に加入している健康保険へ「限度額適用認定証」を申請し、受診時に提示することで、同様に窓口での支払いを上限額までに抑えられます。手術の日程が決まったら、早めに準備しておきましょう。
70歳以上の方は外来の上限額も確認を
70歳以上の方は、外来(個人ごと)の上限額と、外来と入院を合わせた世帯ごとの上限額が別に設けられています。
70歳以上の方の1か月の上限額(2026年8月から)
| 区分 | 外来(個人ごと) | 外来+入院(世帯ごと) |
|---|---|---|
| 現役並み所得の方 | 70歳未満の年収約370万円以上の区分と同じ | 同左 |
| 一般の方 | 22,000円 | 61,500円 |
入院せずに行う日帰り手術は、外来での診療として扱われます。そのため、70歳以上で「一般」の区分の方は、日帰り手術を受けた月の外来の自己負担額が22,000円までに抑えられます。
住民税非課税の方は、さらに低い上限額が設けられています。ご自身の区分は、加入している健康保険にご確認ください。
民間の医療保険・共済の給付金
生命保険会社の医療保険や共済に加入している方は、健康保険とは別に給付金を受け取れる場合があります。給付の可否や金額は契約内容によって異なるため、手術の前に一度確認しておきましょう。
手術給付金の対象になることが多い手術です
医療保険の手術給付金の対象となる手術は、契約によって主に次の2つの決め方があります。
- 公的医療保険の対象となる手術(診療報酬点数表で手術料が算定される手術)を対象とする契約
- 約款で定めた種類(88種類など)の手術を対象とする契約
腹腔鏡下胆のう摘出術は健康保険で手術料が算定される手術のため、前者の契約では手術給付金の対象になるのが一般的です。約款で手術の種類を定めている契約の場合は、対象になるかを保険会社・共済にご確認ください。
日帰り手術の場合は入院給付金の扱いを確認しましょう
入院給付金は、原則として入院したときに受け取る給付金です。入院せずに行う日帰り手術は外来での手術にあたるため、入院給付金の対象にならない場合があります。
なお、手術給付金は外来で受けた手術も対象としている契約があるため、あわせて確認しておくと安心です。
当院の日帰り手術の費用
当院では、診察と検査の結果、条件が合えば、腹腔鏡下胆のう摘出術を日帰りで行っています。手術時間は、前後の麻酔を含めて約1時間〜1時間半です。
当院で日帰り手術を受け、高額療養費制度を利用した場合の自己負担額の目安は、次のとおりです。
70歳未満の方
| 区分 | 自己負担額の目安 |
|---|---|
| 住民税非課税世帯 | 36,900円 |
| 年収約370万円未満 | 61,500円 |
| 年収約370万〜770万円 | 約87,000円 |
| 年収約770万円以上 | 約110,000〜120,000円 |
70歳以上の方
| 区分 | 自己負担額の目安 |
|---|---|
| 住民税非課税世帯のうち所得が一定以下の方 | 8,000円 |
| 住民税非課税世帯 | 11,000円 |
| 一般(年収約156万〜370万円) | 22,000円 |
| 現役並み所得(年収約370万〜770万円) | 約87,000円 |
| 現役並み所得(年収約770万円以上) | 約110,000〜120,000円 |
※高額療養費制度による払い戻し後の自己負担額の目安です。
※手術に使用する物品によっては、追加の費用をご負担いただく場合があります。
費用についてご不明な点は、診察の際にご相談ください。
胆石の手術費用に関するよくあるご質問
Q.検査だけ受ける場合の費用は?
胆石の診察や検査も健康保険が使えるため、窓口でのお支払いは負担割合に応じた1〜3割です。費用は、診察の内容や受ける検査(血液検査、腹部超音波検査、CT・MRIなど)によって異なります。
検査を受けたからといって、すぐに治療が必要になるわけではありません。検査の結果をもとに、手術などの治療が必要かどうか、必要な場合はいつ受けるかを、患者さまと相談しながら決めていきます。
Q.医療費控除の対象ですか?
胆石の手術や検査の費用は、医療費控除の対象です。1月1日から12月31日までの1年間に支払った医療費から、高額療養費や民間保険の給付金などで補填された金額を差し引きます。その残額のうち、10万円(総所得金額等が200万円未満の方は総所得金額等の5%)を超えた部分が控除の対象です(上限200万円)。
生計を一にするご家族の医療費も合算できます。控除を受けるには確定申告が必要なため、領収書は保管しておきましょう。
Q.胆石があると、生命保険や医療保険に入れませんか?
加入できないとは限りません。保険会社によっては、胆のうなど特定の部位を一定期間保障の対象外とする条件(特定部位不担保)を付けて加入できる場合や、告知項目を少なくした「引受基準緩和型」の保険を選べる場合があります。
申し込みの際は、健康状態や治療歴を正しく告知する必要があります。加入できるかどうかや条件は、保険会社や病状によって異なるため、各保険会社にご確認ください。
まとめ|費用の仕組みを知り、手術前に確認しておきましょう
胆石の手術(腹腔鏡下胆のう摘出術)には健康保険が適用され、窓口での自己負担は年齢や所得に応じて1〜3割です。手術料は全国一律で、3割負担の方は64,500円です。これに麻酔料や検査費用が加わり、入院する場合は入院料や食事代などもかかります。
一方で、高額療養費制度により、1か月の自己負担には上限があります。マイナ保険証や限度額適用認定証を使えば、窓口での支払いも上限額までに抑えられます。民間の医療保険に加入している方は、手術給付金の対象になるかもあわせて確認しておきましょう。
費用に不安がある場合は、手術を決める前に医療機関で費用の目安を確認し、ご自身の負担割合や上限額を踏まえて検討することが大切です。
胆石の手術を検討している方は当院までご相談ください
大阪日帰り外科胆のう・胆石クリニックは、胆石・胆のうポリープなど、胆のう疾患の診断と治療に特化したクリニックです。京都大学医学博士(肝胆膵移植外科学)・消化器外科専門医の院長が、診察から手術まで担当いたします。
「手術を受けた場合、自分の負担はいくらになるのか」「日帰りで手術を受けられるのか」といったご相談にも応じていますので、健診などの検査の結果票をお持ちのうえ、ご来院ください。
診察のうえ、日帰り手術の適応と判断した方には、内視鏡(腹腔鏡)による胆のう摘出術を日帰りで行っています。
JR大阪駅から徒歩3分、土日祝も診療しています。
受診のご予約は、お電話またはWeb予約から受け付けています。また、医師によるLINE無料相談も行っています。お気軽にご相談ください。
参考文献
1) 厚生労働省. 令和8年度診療報酬改定について. 2026.
2) 厚生労働省. 患者負担割合及び高額療養費自己負担限度額(令和4年10月〜).
3) 全国健康保険協会. 高額療養費.
