胆石の入院期間はどのくらい?日帰り手術の適応と費用も解説
大阪・梅田の大阪日帰り外科胆のう・胆石クリニック 院長の岩村宣亜です。
「胆石の手術が必要と言われたけれど、何日入院するんだろう」「仕事をそんなに休めない…」と不安に感じていませんか。
胆石の標準的な手術である腹腔鏡下胆嚢摘出術(ふくくうきょうか たんのうてきしゅつじゅつ)の入院期間は、2〜7日程度が一般的な目安です。ただし、胆のうの炎症の程度や結石の状態によって前後し、条件が合えば入院せずに受けられる「日帰り手術」という選択肢もあります。
この記事では、入院期間の目安や入院が長引くケース、日帰り手術の適応、治療費用、仕事復帰までの目安について、わかりやすく解説します。
- 1. 【結論】胆石手術の入院期間は2〜7日程度。条件が合えば日帰りも
- 1.1. 標準的な「腹腔鏡下胆嚢摘出術」は2泊3日〜1週間ほど
- 1.2. 条件が合えば、入院しない「日帰り手術」という選択肢もある
- 2. そもそも胆石はどんなときに手術が必要?
- 2.1. 無症状の胆石は経過観察となることもある
- 2.2. 痛みなどの症状がある胆石は手術が原則
- 3. 入院期間が長くなるケースに注意
- 3.1. 急性胆のう炎を起こしてからの手術は1〜2週間かかることも
- 3.2. 総胆管結石の合併・開腹手術・持病がある場合
- 4. 胆石の日帰り手術(腹腔鏡下胆嚢摘出術)とは
- 4.1. 日帰り手術の流れ(来院〜手術〜当日帰宅)
- 4.2. 日帰り手術を受けられる条件(適応)
- 4.3. 日帰り手術のメリットと、知っておきたいリスク・注意点
- 5. 入院手術・日帰り手術の費用の目安と高額療養費制度
- 5.1. 費用の目安
- 5.2. 高額療養費制度で自己負担額を抑えられる
- 6. 手術後の仕事・日常生活への復帰目安
- 7. まとめ|胆石手術は日帰りという選択肢も
【結論】胆石手術の入院期間は2〜7日程度。条件が合えば日帰りも
標準的な「腹腔鏡下胆嚢摘出術」は2泊3日〜1週間ほど
症状のある胆石に対する標準的な治療は、おなかに数か所の小さな穴を開けて内視鏡(腹腔鏡)で行う「腹腔鏡下胆嚢摘出術」です。結石だけを取ると再発しやすいため、結石ができる場所である胆のうごと摘出するのが基本とされています。
あらかじめ日程を決めて行う予定手術の場合、入院期間は2泊3日〜1週間程度としている医療機関が多く、施設や患者さまの状態によって幅があります。傷が小さく体への負担が少ないため、手術の翌日から食事や歩行が可能なことが一般的です。
一方、炎症が強い場合や緊急手術では、入院が1〜2週間程度に延びることもあります。
条件が合えば、入院しない「日帰り手術」という選択肢もある
近年では、一定の条件を満たす患者さまに対し、この手術を日帰り(入院なし)で行う医療機関もあります。手術当日に来院し、術後の経過を院内で確認したうえで、その日のうちに帰宅が可能です。
ただし、日帰り手術はすべての方が受けられるわけではありません。適応の可否は、診察や検査の結果、患者さまの全身状態などをふまえて医師が判断します。
そもそも胆石はどんなときに手術が必要?
無症状の胆石は経過観察となることもある
健康診断などで胆石が見つかっても、痛みなどの症状がない「無症状胆石(無症候性胆石)」の場合は、すぐに手術をせず定期的な検査で経過観察となることが少なくありません。無症状の胆石が痛みなどの症状を起こす割合は年間数%程度とされ、多くの方は無症状のまま経過するとされています。
痛みなどの症状がある胆石は手術が原則
一方、みぞおちや右上腹部の痛み(胆石発作)、発熱、背中や右肩への放散痛などの症状がある胆石は、発作を繰り返したり、胆のう炎などの合併症につながったりするおそれがあるため、手術による治療が原則とされています。
自己判断は難しいため、胆石を指摘された方や気になる症状がある方は、まず医療機関で相談しましょう。
入院期間が長くなるケースに注意
入院期間の目安は2〜7日程度ですが、状態によっては長くなることがあります。
急性胆のう炎を起こしてからの手術は1〜2週間かかることも
胆石が胆のうの出口に詰まって炎症を起こす「急性胆のう炎」になると、緊急の治療が必要です。炎症が強い状態での手術は難易度が上がり、術後の回復にも時間がかかりやすいため、入院が1〜2週間程度に及ぶこともあります。
症状がありながら治療を先延ばしにしていると、ある日突然、急性胆のう炎で緊急入院となる可能性があります。放置した結果、かえって長い入院が必要になることもあるため、症状がある方は早めの受診をおすすめします。
総胆管結石の合併・開腹手術・持病がある場合
このほか、次のようなケースでも入院期間が延びることがあります。
- 総胆管結石を合併している場合:胆管に石が落ちていると、内視鏡による結石除去(ERCP)などの治療が追加で必要になることがあります
- 開腹手術になった場合:炎症や癒着が強いと開腹手術に切り替わることがあり、入院は1〜2週間程度が目安です
- 持病がある場合:糖尿病や心臓・呼吸器の病気などがあると、術前術後の管理に時間がかかることがあります
胆石の日帰り手術(腹腔鏡下胆嚢摘出術)とは
日帰り手術とは、手術当日に来院し、その日のうちに帰宅する治療方法です。手術そのものは入院で受ける場合と同じで、内視鏡(腹腔鏡)を用いて小さな傷で胆のうを摘出します。「入院の時間が取れない」という方が、生活への影響を抑えながら治療を受けること可能です。
日帰り手術の流れ(来院〜手術〜当日帰宅)
一般的な流れは次のとおりです。
- 事前診察・検査:問診や超音波検査、血液検査などで日帰り手術の可否を医師が判断します。手術日を決め、絶飲食や禁煙などの注意事項の説明を受けます
- 手術当日:来院後、全身麻酔で手術を行います。手術時間は1時間前後が目安です(胆のうの状態によって前後します)
- 術後〜帰宅:院内で安静にし、麻酔からの回復と全身状態を確認のうえ、医師の許可が出ればその日のうちに帰宅します
- 術後診察:後日来院し、傷や体調の経過を確認します
日帰り手術を受けられる条件(適応)
日帰り手術は誰でも受けられるわけではありません。次のような条件を診察・検査で確認し、医師が総合的に判断します。
- 胆のうの炎症が強くない、予定手術として行える状態であること
- 全身麻酔に支障となる重い持病がないこと(全身状態が安定していること)
- 帰宅時に付き添いの方がいるなど、術後当日の自宅での安静・見守りが確保できること
- 発熱や強い痛みなどの異常時に、速やかに医療機関へ連絡・受診できること
これらの条件を満たさない場合や、日帰りで安全に手術を行うことが難しいと判断された場合は、入院での手術が適していることもあります。
日帰り手術のメリットと、知っておきたいリスク・注意点
日帰り手術のメリットは、入院を必要としないため、仕事や家庭への影響を抑えやすいことです。また、入院に伴う費用がかからない分、医療費の負担を抑えることが可能です。
一方で、日帰り手術であっても外科手術であることに変わりはありません。出血や感染、胆管損傷などの合併症が起こる可能性はゼロではなく、術後に追加の処置等が必要になる場合もあります。
入院手術・日帰り手術の費用の目安と高額療養費制度
腹腔鏡下胆嚢摘出術は、入院・日帰りのいずれの場合も公的医療保険が適用されます。
費用の目安
3割負担の場合、入院手術の自己負担額はおおよそ13万〜20万円程度が目安です。入院日数や検査内容、部屋代(差額ベッド代)などによって変わります。
日帰り手術は入院費がかからない分、総額を抑えられるのが一般的です。金額は医療機関や検査内容によって異なるため、事前診察の際に確認しておくと安心です。
高額療養費制度で自己負担額を抑えられる
医療費の自己負担額が1か月あたりの上限額を超えた場合、超えた分が払い戻される「高額療養費制度」を利用できます。上限額は年齢や所得によって異なります。
なお、民間の医療保険に加入している方は、手術給付金などの対象となる場合があります。契約内容を確認してみましょう。
手術後の仕事・日常生活への復帰目安
腹腔鏡下胆嚢摘出術は体への負担が比較的少ない手術のため、回復も早い傾向にあります。
デスクワークなど身体への負担が少ない仕事であれば、術後数日〜1週間程度で復帰される方が多くなっています。一方、重い物を持つ仕事や腹部に力がかかる作業、激しい運動については、術後2~4週間程度控えることが一般的です。
食事は、術後しばらくは脂っこいものを控えめにし、消化の良いものから少しずつ戻します。胆のうを摘出しても多くの方は通常の食生活に戻れますが、一時的に下痢や軟便がみられることがあります。
術後の回復には個人差があり、仕事内容や手術後の経過によっても復帰時期は異なります。あらかじめ仕事内容や運動習慣を医師に伝え、無理のない復帰スケジュールを相談しておきましょう。
まとめ|胆石手術は日帰りという選択肢も
胆石手術(腹腔鏡下胆嚢摘出術)の入院期間は2〜7日程度が目安ですが、急性胆のう炎を起こしてからの手術や総胆管結石の合併などがあると、1〜2週間程度に延びることがあります。症状のある胆石は先延ばしにせず、落ち着いている段階で計画的に治療することが、負担を抑えることにつながります。
また、事前の検査で条件を満たすと判断されれば、入院せずに受けられる日帰り手術という選択肢もあります。「入院が難しい」という方は、適応について一度医師に相談してみてはいかがでしょうか。
当院では、胆石などの胆嚢疾患に対する内視鏡(腹腔鏡)による日帰り手術を行っています。JR大阪駅から徒歩3分の立地で、土日祝の診察・手術にも対応しています。胆石でお悩みの方はお気軽にご相談ください。
