お電話は診療時間内にお願いします

06-6147-7410

medical column医療コラム

胆石は薬で溶かせる?ウルソの効果と限界、手術が必要なケースを解説

胆石は薬で溶かせる?ウルソの効果と限界、手術が必要なケースを解説

大阪・梅田の大阪日帰り外科胆のう・胆石クリニック 院長の岩村宣亜です。

健康診断などで胆石を指摘され、「できれば手術は避けたい」「薬で溶かすことはできないのか」と考える方は少なくありません。

胆石を薬で溶かす「経口胆石溶解療法」はあります。ただし、対象となる胆石の種類や大きさ、胆のうの状態には条件があり、すべての方に有効な治療ではありません。まずは、ご自身の胆石が薬物治療の対象になり得るかを確認することが大切です。

この記事では、胆石を溶かす薬であるウルソデオキシコール酸(商品名:ウルソ)の適応条件、期待できる効果と限界、手術を検討するケースについて解説します。

この記事の監修者

著者画像

この記事の監修者

大阪日帰り外科胆のう・胆石クリニック
院長 岩村宣亜
京都大学医学博士(肝胆膵移植外科学)、消化器外科専門医
2022年8月に大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニックを開院。2026年9月には、大阪日帰り外科胆のう・胆石クリニックを開院。患者さまの早期社会復帰を支える「内視鏡日帰り手術」の普及に取り組んでいます。
京都大学医学博士(肝胆膵移植外科学)、消化器外科専門医
2022年8月に大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニックを開院。2026年9月には、大阪日帰り外科胆のう・胆石クリニックを開院。患者さまの早期社会復帰を支える「内視鏡日帰り手術」の普及に取り組んでいます。

胆石は薬で溶かせるのか

胆石のなかには、薬による溶解を期待できるものがあります。ただし、対象は限られており、胆石の状態によっては薬を服用しても溶けません。

条件を満たす一部の胆石では溶解が期待できます

胆石の溶解に用いられる代表的な薬が、ウルソデオキシコール酸です。胆汁酸の一種で、胆汁中のコレステロールを溶けやすい状態に近づけ、コレステロールを主成分とする胆石を時間をかけて少しずつ溶かします。

ただし、効果を期待できるのは、外側に石灰化のないコレステロール系胆石など、一定の条件を満たす場合です。胆石の種類や大きさ、胆のうの働きによっては、溶解療法の対象になりません。

症状のある胆石では手術が標準的な治療です

薬による溶解療法は、現在の胆石症治療における中心的な方法ではありません。適応となる胆石が限られ、治療に長い期間を要するうえ、条件を満たしていても完全に溶けないことがあるためです。溶解後の再発も少なくありません。

胆石発作や胆のう炎などの症状がある胆石症では、胆石とともに胆のうを摘出する手術が、根本的な治療として行われます。溶解療法は、手術を受けることが難しい場合や、適応条件を満たしたうえで患者さまが希望される場合などに選択される、限定的な治療法です。

胆石を溶かす薬(ウルソデオキシコール酸)の適応条件

ウルソデオキシコール酸による溶解療法を検討する際は、胆石の成分、大きさ、石灰化の有無、胆のうの働きなどを確認します。

対象となるのはコレステロール系胆石です

胆石は、主な成分によってコレステロール胆石と色素胆石に分けられます。薬で溶ける可能性があるのは、外側に石灰化のないコレステロール系胆石で、特に純コレステロール石が対象になりやすいとされています。

ビリルビンカルシウム石や黒色石などの色素胆石は、ウルソデオキシコール酸では溶けません。コレステロールを含む胆石でも、石灰化がある場合や、ほかの成分を多く含む場合には、十分な効果を期待しにくくなります。

大きさ・石灰化・胆のうの働きも判断材料です

胆石の種類に加え、次のような条件も適応を判断する材料になります。

  • 外殻に石灰化がないこと
  • 一般に直径15mm以下であること。小さい胆石ほど溶けやすく、特に10mm未満では治療成績が良い傾向があります
  • 胆のうの収縮機能が保たれ、胆のう管が通っていること

15mm以下は一つの目安ですが、サイズだけで適応が決まるわけではありません。胆石の個数や画像上の性状、症状の有無、患者さまの全身状態なども含めて判断します。

適応は超音波検査を中心に、必要な画像検査を組み合わせて判断します

腹部超音波(エコー)検査では、胆石の大きさや個数、胆のう壁の状態などを確認できます。胆石の映り方から性状を推測することもできますが、超音波検査だけで胆石の成分や石灰化の程度を確定できるとは限りません。

必要に応じてCT検査などを組み合わせ、外殻石灰化の有無や胆石の性状を評価します。胆のうの収縮機能や胆のう管の通過性も確認したうえで、溶解療法を検討できる状態かを総合的に判断します。

ウルソの効果と限界

適応条件を満たしていても、ウルソデオキシコール酸で胆石が必ず消失するわけではありません。治療期間や再発の可能性も含めて検討する必要があります。

完全に溶けるのは一部で、治療には時間がかかります

ウルソデオキシコール酸による溶解療法は、服用後すぐに胆石が消える治療ではありません。少なくとも6か月以上の服用が必要となり、胆石の大きさによっては1〜2年程度かかることもあります。

過去の臨床試験のメタ解析では、一定量以上のウルソデオキシコール酸を6か月を超えて使用した場合、完全に溶解した割合は37.3%でした。1) 小さい胆石ほど溶けやすく、10mm未満の胆石は、それより大きい胆石よりも完全溶解しやすいことが示されています。

服用中は、超音波検査などで胆石の大きさや個数の変化を確認します。一定期間服用しても縮小がみられない場合は、薬による効果が期待しにくいと考えられるため、治療方針を見直します。

胆石が溶けても再発することがあります

溶解療法の大きな限界の一つが、治療後の再発です。薬で胆石が消失しても、胆石ができやすい胆汁の性質や体質そのものがなくなるわけではありません。

長期追跡研究では、胆石が完全に溶けた後の再発率は5年で約47%と報告されています。2) 別の12年間の追跡研究でも、胆石の再発は長期的に少なくないことが示されています。3)

そのため、胆石が消失した後も超音波検査による経過確認が必要です。再発予防のために薬を続けるか、再発した場合に再度薬物治療を行うかは、胆石の状態や患者さまの希望を踏まえて医師が判断します。

副作用と服用中の注意点

ウルソデオキシコール酸の主な副作用は、下痢、吐き気、胃の不快感、腹痛、腹部膨満などの消化器症状です。重大な副作用として間質性肺炎も報告されています。発熱、咳、息苦しさなどが続く場合は、速やかに医師へ相談してください。

服用中も胆石が残っている間は、胆石発作や胆のう炎が起こる可能性があります。強い腹痛、発熱、吐き気、黄疸などが現れた場合は、薬を飲んでいるからと様子を見続けず、医療機関を受診してください。

完全胆道閉塞や劇症肝炎のある方には投与できず、胆管に胆石がある場合なども慎重な判断が必要です。ほかの薬との相互作用もあるため、服用中の薬やサプリメントは医師・薬剤師に伝えてください。

手術を検討する主なケース

薬による溶解療法には適応と効果の限界があります。次のような場合には、胆のう摘出手術が治療の選択肢となります。

胆石発作や胆のう炎などの症状がある場合

胆石発作や胆のう炎を起こしたことがある胆石は、再び症状を起こすことがあります。症状のある胆のう結石症では、腹腔鏡下胆のう摘出術が標準的な治療です。

溶解療法は効果が現れるまでに時間がかかり、その間も胆石発作や胆のう炎を起こす可能性が残ります。症状を繰り返して胆のうの炎症や癒着が強くなると、手術の難易度が上がる場合もあります。

胆のう炎の症状や受診の目安については「胆のう炎の症状とは?胆石の痛みとの違いと受診すべき危険なサイン」で詳しく解説しています。

溶解療法の適応にならない場合や、十分な効果が得られない場合

次のような場合にも、症状や胆のうの状態に応じて手術を検討します。

  • 石灰化した胆石や色素胆石など、薬で溶けない胆石で治療が必要な場合
  • 一定期間服用しても胆石の縮小がみられない場合
  • 胆石が溶けた後に再発し、症状を繰り返している場合

薬で溶けない胆石があるからといって、直ちに手術が必要になるわけではありません。無症状の胆のう結石は経過観察となることも多いため、症状、胆石や胆のうの状態、年齢、持病などを踏まえて方針を決めます。

日帰り手術という選択肢

胆のう摘出手術は、現在では腹腔鏡による方法が広く行われています。開腹手術に比べて傷が小さく、術後の回復が早い傾向があり、患者さまの状態や療養環境などの条件が合えば、日帰りで行える場合があります。

当院では、胆のうの炎症の程度、持病、麻酔のリスク、ご自宅での療養環境などを確認し、日帰り手術が適しているかを判断します。入院管理が望ましい場合は、日帰り手術にこだわらず、対応可能な医療機関をご紹介します。

手術の流れやリスク、費用については「胆のう摘出手術とは?治療の流れ・費用・日帰り手術の適応を解説」をご覧ください。

胆石の薬に関するよくあるご質問

Q.漢方薬やサプリメントで胆石は溶かせますか?

A.漢方薬やサプリメントによって胆石が溶けるという医学的根拠は、現時点では確立されていません。胆石溶解の効能が認められている医療用医薬品は、ウルソデオキシコール酸などの胆汁酸製剤です。自己判断で市販品に頼らず、まずは医療機関で胆石の種類と状態を確認してください。

Q.ウルソはいつまで飲み続けるのですか?

A.溶解を目的とする場合は、少なくとも6か月以上の服用が必要で、1〜2年程度続けることもあります。服用期間は、定期的な画像検査で胆石の変化を確認しながら決めます。胆石が消失した後も再発の確認が必要なため、自己判断で服用や検査を中断せず、医師の指示に従ってください。

Q.薬を飲んでいれば手術は不要ですか?

A.適応条件を満たす胆石が完全に溶け、症状の再発もない場合には、結果として手術を受けずにすむこともあります。ただし、過去のメタ解析で完全溶解した割合は約4割で、治療中も胆石発作や胆のう炎の可能性は残ります。症状がある場合や、薬で十分な効果が得られない場合には、手術を含めて治療方針を検討します。

Q.無症状でも薬を飲んだ方がよいですか?

A.無症状の胆のう結石は、定期的な検査で経過をみることが基本で、すべての方に薬が必要なわけではありません。溶解療法の対象になるかどうかも胆石の種類や状態によって異なるため、検査結果をもとに医師と相談してください。

まとめ|薬で溶かせる胆石は限られています

胆石を薬で溶かす治療は、石灰化のないコレステロール系胆石で、胆石の大きさや胆のうの働きなどの条件を満たす場合に検討できます。一般に15mm以下が一つの目安ですが、小さい胆石ほど溶けやすく、特に10mm未満で治療成績が良い傾向があります。

適応条件を満たしていても、完全に溶けるのは一部で、治療には少なくとも6か月以上を要します。溶解後も再発が少なくないため、定期的な検査が欠かせません。

胆石発作や胆のう炎などの症状がある胆石症では、胆のう摘出手術が標準的な治療です。薬を希望する場合も、まず画像検査で胆石の種類、石灰化、大きさ、胆のうの状態を確認し、薬物治療と手術の利点・注意点を理解したうえで方針を決めることが大切です。

胆石でお悩みの方は当院までご相談ください

大阪日帰り外科胆のう・胆石クリニックは、胆石や胆のうポリープなど、胆のう疾患の診断と治療を行う専門クリニックです。京都大学医学博士(肝胆膵移植外科学)・消化器外科専門医の院長が、診察から手術まで担当します。

当院では、各種検査などにより胆石の状態を確認し、「薬による溶解療法の対象になり得るか」「手術を検討した方がよいか」といった治療方針をご説明します。日帰り手術が適していると判断した方には、腹腔鏡下胆のう摘出術を日帰りで行います。

当院はJR大阪駅から徒歩3分の場所にあり、土日祝も診療しております。

受診予約は、お電話またはWeb予約で受け付けています。受診前に確認したいことがある方は、医師によるLINE無料相談もご利用いただけます。お気軽にご相談ください。

参考文献

1) May GR, Sutherland LR, Shaffer EA. Efficacy of bile acid therapy for gallstone dissolution: a meta-analysis of randomized trials. Aliment Pharmacol Ther. 1993;7(2):139-148. doi:10.1111/j.1365-2036.1993.tb00082.x.

2) Petroni ML, Jazrawi RP, Lanzini A, et al. Repeated bile acid therapy for the long-term management of cholesterol gallstones. J Hepatol. 1996;25(5):719-724. doi:10.1016/S0168-8278(96)80244-3.

3) Villanova N, Bazzoli F, Taroni F, et al. Gallstone recurrence after successful oral bile acid treatment: a 12-year follow-up study and evaluation of long-term postdissolution treatment. Gastroenterology. 1989;97(3):726-731. doi:10.1016/0016-5085(89)90644-6.

この記事の監修者

著者画像

この記事の監修者

大阪日帰り外科胆のう・胆石クリニック
院長 岩村宣亜
京都大学医学博士(肝胆膵移植外科学)、消化器外科専門医
2022年8月に大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニックを開院。2026年9月には、大阪日帰り外科胆のう・胆石クリニックを開院。患者さまの早期社会復帰を支える「内視鏡日帰り手術」の普及に取り組んでいます。
京都大学医学博士(肝胆膵移植外科学)、消化器外科専門医
2022年8月に大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニックを開院。2026年9月には、大阪日帰り外科胆のう・胆石クリニックを開院。患者さまの早期社会復帰を支える「内視鏡日帰り手術」の普及に取り組んでいます。

電話予約
WEB予約
LINE無料相談