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胆のうを取るとどうなる?摘出後の体の変化と生活の注意点を解説

胆のうを取るとどうなる?

大阪・梅田の大阪日帰り外科胆のう・胆石クリニック 院長の岩村宣亜です。

健康診断や検査で胆石などが見つかり、医師から胆のうの摘出を勧められて、「胆のうを取っても大丈夫?」と不安を感じていませんか。臓器を1つ取ると聞くと、生活への影響や食事制限が一生続くのではないかと、手術に踏み切れない方も多いかと思います。

結論から言えば、胆のうを摘出しても、多くの方は日常生活に大きな支障なく過ごすことができます。ただし、術後しばらくは脂っこい食事のあとに下痢や軟便が起こることがあり、食事の取り方には注意が必要です。

この記事では、胆のうを取ると体に何が起こるのか、摘出後の変化と食事の注意点、手術のリスクと放置した場合のリスクまでを分かりやすく解説します。

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大阪日帰り外科胆のう・胆石クリニック
院長 岩村宣亜
京都大学医学博士(肝胆膵移植外科学)、消化器外科専門医
2022年8月に大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニックを開院。2026年9月には、大阪日帰り外科胆のう・胆石クリニックを開院予定。患者さまの早期社会復帰を支える「内視鏡日帰り手術」の普及に取り組んでいます。
京都大学医学博士(肝胆膵移植外科学)、消化器外科専門医
2022年8月に大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニックを開院。2026年9月には、大阪日帰り外科胆のう・胆石クリニックを開院予定。患者さまの早期社会復帰を支える「内視鏡日帰り手術」の普及に取り組んでいます。

胆のうを取っても、多くの人は日常生活に支障なく過ごせます

胆のうを摘出しても、多くの方は日常生活に大きな支障なく過ごすことができます。胆のうは消化に関わる臓器ですが、摘出後もその働きは肝臓と腸で補われるため、生涯にわたる厳しい食事制限が必要になるわけではありません。

ただし、術後しばらくは脂っこい食事のあとに下痢や軟便が起こることがあります。こうした変化が起こる理由は、胆のうの役割を知ると理解しやすくなります。

胆のうは「胆汁をためて濃縮する」臓器

胆のうは、肝臓の下にある洋なし型の小さな袋状の臓器です。

脂肪の消化を助ける消化液である「胆汁(たんじゅう)」は、胆のうではなく肝臓でつくられます。胆のうの役割は、この胆汁を一時的にためて濃縮しておくことです。

食事で脂肪分が十二指腸に入ると、胆のうが収縮し、濃縮された胆汁がまとめて腸へ送り出されます。これにより、脂肪の消化・吸収が効率よく進みます。

つまり胆のうは、胆汁をつくる臓器ではなく、食事のタイミングに合わせて胆汁を送り出す「貯蔵タンク」の役割を担っています。

摘出後は胆汁が肝臓から直接腸へ流れる

胆のうを摘出すると、胆汁をためて濃縮する働きは失われます。しかし、胆汁をつくる肝臓の働きは変わりません。

摘出後は、肝臓でつくられた胆汁が、たまることなく少しずつ腸へ流れ続けるようになります。脂肪の消化・吸収そのものは、この胆汁によって保たれます。

一方で、食事に合わせて濃い胆汁をまとめて送り出すことができなくなるため、胆汁の流れ方(リズム)が変化します。この変化により、脂っこい食事のあとなどに下痢や軟便が起こることがあります。詳しくは次の章で解説します。

胆のうを取ったあとに起こりうる体の変化

脂っこい食事で下痢・軟便が起こることがある

胆のう摘出後にみられることがある変化の一つが、下痢や軟便です。

胆汁に含まれる胆汁酸は、本来、小腸で脂肪の消化を助けたあと、その多くが小腸の終わりの部分で再吸収され、肝臓に戻って再利用されます。しかし胆のうを摘出すると胆汁が持続的に腸へ流れるようになり、再吸収しきれなかった胆汁酸が大腸へ流れ込むことがあります。

大腸に届いた胆汁酸は、腸の粘膜を刺激して水分の分泌を増やし、腸の動きを活発にします。その結果、水のような下痢や、急に強い便意が起こるといった症状が現れます。これは「胆汁酸性下痢」と呼ばれる状態です。

とくに脂肪の多い食事のあとに起こりやすく、体が摘出後の胆汁の流れ方に慣れていく過程でみられやすい変化です。

下痢はいつまで続く?多くは時間とともに落ち着く

下痢や軟便は、多くの場合、時間の経過とともに軽くなっていきます。体が新しい胆汁の流れ方に適応していくためです。

ただし、落ち着くまでの期間には個人差があります。数週間で気にならなくなる方もいれば、数か月かかる方もいます。

下痢が長く続く場合や、日常生活に支障が出るほど強い場合は、そのままにせず医師に相談してください。胆汁酸の作用をやわらげる薬が用いられることもあり、症状に応じた対応が可能です。

胆のう摘出後症候群(腹痛・消化不良など)

胆のう摘出後に、上腹部の痛み、消化不良、吐き気、腹部の張りといった症状が続くことがあります。こうした症状をまとめて「胆のう摘出後症候群」と呼ぶことがあります。

胆のう摘出後症候群は、一つの決まった病気を指すものではありません。胆管に残った結石、胆汁の流れに関する問題、胆汁酸性下痢のほか、胃・十二指腸の病気、逆流性食道炎、過敏性腸症候群など、胆道以外の病気が原因となっていることもあります。

症状が続く場合は、原因を調べたうえで治療方針を決める必要があります。手術を受けた医療機関で相談してください。

胆のう摘出後の食事で気をつけたいこと

術後しばらくは脂肪を控えめに

胆のう摘出後の食事で基本となるのは、脂肪の多い食事を一度にとりすぎないことです。

摘出後は、濃縮された胆汁をまとめて送り出せなくなるため、揚げ物や脂身の多い肉、ラーメンなど脂肪の多い食事をとると、下痢や腹部の不快感が起こりやすくなります。術後しばらくは脂肪を控えめにし、消化のよい食事を中心にするとよいでしょう。

あわせて、次のような点を意識すると、消化への負担を減らせます。

  • 一度にたくさん食べず、腹八分目を心がける
  • よく噛んで、ゆっくり食べる
  • 規則正しく1日3食をとる
  • 香辛料やアルコールなど刺激の強いものを控えめにする

ただし、脂肪を極端にとらない必要はありません。脂肪は体に必要な栄養素でもあるため、極端な制限はせず、量を調整しながらとることが大切です。

少しずつ通常の食事へ戻していく

食事制限が一生続くわけではありません。体が新しい胆汁の流れ方に慣れてくれば、多くの方は徐々に通常の食事へ戻すことができます。

戻し方の目安は、症状を見ながら少しずつ脂肪の量を増やしていくことです。脂っこい食事をとってみて問題がなければ、無理のない範囲で食事の幅を広げていきましょう。

なお、回復のペースには個人差があります。食事を戻す時期や内容について迷う場合は、自己判断せず、医師に相談してください。

手術のリスクと「取らずに放置した場合」のリスク

胆のうの摘出を迷っている方にとって大切なのは、手術のリスクと、治療せずに様子を見た場合のリスクの両方を知ったうえで判断することです。

手術に伴うリスク・合併症

現在、胆のう摘出術の多くは、お腹に小さな穴を数か所開けて行う腹腔鏡手術で行われています。体への負担が比較的少なく、回復も早い方法ですが、手術である以上、リスクがゼロになるわけではありません。

主な合併症には、出血、感染、胆汁の漏れ(胆汁瘻)、胆管の損傷などがあります。

こうしたリスクの起こりやすさは、胆のうの状態や持病の有無によっても異なります。

胆石などを放置した場合のリスク

一方、手術が必要と判断された胆石などを治療せずに放置した場合にも、リスクがあります。

胆石が胆のうの出口や胆管に詰まると、みぞおちや右上腹部の強い痛み(胆石発作)が起こることがあります。さらに、胆のうに細菌感染が加わって急性胆のう炎を起こしたり、胆管炎や膵炎など、より重い病気につながったりすることもあります。

こうした状態になってからの治療は、体への負担が大きくなりやすいため、症状や検査結果によっては、落ち着いているうちに手術を検討することが勧められます。

手術を受けるかどうかは、胆石の状態や症状の有無、年齢や持病などによって判断されます。ご自身の状態とリスクを踏まえ、医師と相談の上、治療方針を決めることが大切です。

胆のう摘出後の生活に関するよくある質問

Q1. 胆のうを取ったあと、お酒は飲めますか?

体調が回復すれば、適量の飲酒は可能とされています。ただし、術後しばらくは消化機能が安定していないため、飲酒の再開時期は医師に確認してください。再開後も、過度な飲酒は消化器への負担となるため控えましょう。

Q2. 仕事や運動はいつから再開できますか?

腹腔鏡手術の場合、デスクワークなどの軽い仕事は手術後数日〜1週間程度で再開できることが多いとされています。ただし、重い物を持つ作業や激しい運動は、傷の回復を待ってからになります。再開の時期は回復の状況によって異なるため、医師の指示に従ってください。

Q3. 胆のうを取ると大腸がんになりやすいと聞きましたが、本当ですか?

胆のう摘出と大腸がんの関連については研究が行われていますが、結果は一致しておらず、明確な因果関係は確立されていません。過度に心配する必要はありませんが、年齢に応じた大腸がん検診など、定期的な検査を受けておくと安心です。

Q4. 胆のうがなくても、寿命や健康に影響はありませんか?

胆のうを摘出したことが原因で寿命が縮まるという医学的根拠はありません。多くの方は、摘出後も健康的な生活を続けられています。気になる症状がある場合は、放置せず医師に相談してください。

まとめ|胆のう摘出を検討する際に押さえておきたいこと

胆のうを摘出しても、多くの方は日常生活に大きな支障なく過ごすことができます。胆汁をつくる肝臓の働きは変わらないため、脂肪の消化・吸収は摘出後も保たれます。

一方で、術後しばらくは脂っこい食事のあとに下痢や軟便が起こることがあり、脂肪を控えめにした消化のよい食事から、少しずつ通常の食事へ戻していくことが基本となります。こうした変化の多くは、時間の経過とともに落ち着いていきます。

手術にはリスクがある一方、手術が必要な胆石などを放置した場合にもリスクがあります。ご自身の状態を正しく把握したうえで、医師と相談しながら治療方針を決めることが大切です。

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大阪日帰り外科胆のう・胆石クリニック
院長 岩村宣亜
京都大学医学博士(肝胆膵移植外科学)、消化器外科専門医
2022年8月に大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニックを開院。2026年9月には、大阪日帰り外科胆のう・胆石クリニックを開院予定。患者さまの早期社会復帰を支える「内視鏡日帰り手術」の普及に取り組んでいます。
京都大学医学博士(肝胆膵移植外科学)、消化器外科専門医
2022年8月に大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニックを開院。2026年9月には、大阪日帰り外科胆のう・胆石クリニックを開院予定。患者さまの早期社会復帰を支える「内視鏡日帰り手術」の普及に取り組んでいます。

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