胆石発作が起きたら?痛みの特徴・対処法と受診すべき危険サイン
大阪・梅田の大阪日帰り外科胆のう・胆石クリニック 院長の岩村宣亜です。
みぞおちや右上腹部に突然強い痛みが起こり、「胆石発作ではないか」と不安に感じる方は少なくありません。
胆石発作は、胆のうにできた結石が胆汁の流れをせき止めることで生じる痛みで、脂肪分の多い食事のあとや夜間に起こりやすいとされています。多くは時間の経過とともに痛みが和らぎますが、なかには急性胆のう炎や胆管炎など、早急な治療を要する状態につながることもあり注意が必要です。
本記事では、胆石発作の痛みの特徴や起きたときの対処法、医療機関を受診すべき危険サイン、検査・治療の選択肢について解説します。
- 1. 【結論】胆石発作が疑われるときに、まずすべきこと
- 2. 胆石発作とは?痛みの特徴と出やすいタイミング
- 2.1. どこが・どのように痛むのか
- 2.2. 発作が起きやすいタイミング
- 2.3. 吐き気・嘔吐をともなうこともある
- 3. 胆石発作が起きたときの対処法と、避けたい行動
- 3.1. 発作中の過ごし方の目安
- 3.2. 自己判断で避けたいこと
- 4. すぐに救急受診を|見逃したくない危険サイン
- 5. 病院で行う検査と治療の選択肢
- 5.1. 診断のための検査
- 5.2. 経過観察・薬・手術という選択肢と費用の目安
- 6. 発作を繰り返さないための予防と食事のポイント
- 7. よくある質問(FAQ)
- 7.1. Q1. 胆石発作は自然に治りますか?
- 7.2. Q2. 一度おさまれば、そのまま放置してもよいですか?
- 7.3. Q3. 市販の痛み止めで対処してもよいですか?
- 7.4. Q4. 胆石があると、必ず手術が必要になりますか?
- 8. まとめ
【結論】胆石発作が疑われるときに、まずすべきこと
胆石発作による痛みの多くは、数十分から数時間ほどで自然に和らいでいきます。しかし、痛みがおさまったからといって安心はできません。胆石発作は一度起こると再び繰り返す傾向があり、放置していると急性胆のう炎(胆のうに炎症が起こる状態)などの合併症につながることもあるためです。
そのため、胆石発作が疑われる強い痛みを経験した場合は、痛みが引いたあとであっても、できるだけ早めに消化器内科や消化器外科を受診することをおすすめします。すでに「胆石がある」と指摘されている方であればなおさら、自己判断で様子を見続けることは避けたほうがよいでしょう。
一方で、次のような症状をともなう場合は、急性胆のう炎や胆管炎など、緊急性の高い状態が起こっているおそれがあります。
- 6時間以上おさまらない強い痛み
- 発熱や悪寒(さむけ)
- 皮膚や白目が黄色くなる黄疸(おうだん)
- 我慢できない痛みや繰り返す嘔吐
これらがみられるときは、速やかに医療機関を受診してください。
胆石発作とは?痛みの特徴と出やすいタイミング
胆石発作は、胆のうにできた結石が胆のうの出口や胆管(胆汁の通り道)に詰まり、胆汁の流れがせき止められることで起こる痛みです。ご自身の痛みが胆石発作によるものかを見極める手がかりとして、痛みの特徴や起こりやすいタイミングを知っておきましょう。
どこが・どのように痛むのか
胆石発作の痛みは、みぞおち(心窩部)から右上腹部にかけて起こることが多いのが特徴です。差し込むような強い痛みのこともあれば、鈍い痛みとして感じられることもあります。
また、痛みが右の肩や背中にまで広がる「放散痛」がみられることもあります。みぞおちの軽い痛みの場合は胃の痛みと勘違いされることもあるため、注意が必要です。
発作が起きやすいタイミング
胆石発作は、食後、とくに脂肪分の多い食事をとったあとに起こりやすいとされています。食事によって胆のうが収縮し、胆汁を押し出そうとする際に、結石が出口に詰まりやすくなるためです。
夕食後や就寝後の夜間に痛みで目が覚める、といったかたちで起こることも少なくありません。
吐き気・嘔吐をともなうこともある
胆石発作では、痛みに加えて吐き気や嘔吐をともなうことがあります。とくに痛みが強いときには、こうした症状が出やすい傾向があります。ただし、これらの症状の感じ方には個人差があり、症状だけで胆石発作かどうかを正確に判断することはできません。気になる症状があるときは、医療機関で検査を受けることが大切です。
胆石発作が起きたときの対処法と、避けたい行動
胆石発作が起きたときは、痛みへの対応とあわせて、症状を悪化させないための行動を意識することが大切です。ここでは、発作中の過ごし方の目安と、避けたい行動について解説します。
発作中の過ごし方の目安
胆石発作の痛みは、多くの場合しばらくすると和らいでいきます。痛みがあるあいだは無理に動かず、体を締めつけない服装で、楽な姿勢をとって安静に過ごしましょう。
食事は胆のうを収縮させ、痛みを強めることがあるため、発作中は控えたほうが好ましいです。水分についても、症状が落ち着くまでは少量にとどめておくと安心です。
痛みが和らいだあとも、胆石そのものがなくなったわけではありません。発作を経験したら、落ち着いた段階で早めに医療機関を受診することが大切です。
自己判断で避けたいこと
胆石発作が疑われるときは、次のような行動は避けましょう。
- 脂肪分の多い食事やアルコールをとる
- 「そのうち治る」と考え、繰り返す発作を放置する
- 市販の鎮痛薬で痛みを抑え、受診を先延ばしにする
とくに、市販薬で一時的に痛みをまぎらわせても、胆石発作の原因が解消されるわけではありません。痛みが強い場合や繰り返す場合は、自己判断で対処を続けず、医療機関に相談してください。
すぐに救急受診を|見逃したくない危険サイン
胆石発作の多くは時間の経過とともに痛みが和らぎますが、なかには急性胆のう炎や胆管炎、膵炎(すいえん)といった、緊急の治療を要する状態に進行することがあります。次のような症状がみられるときは、速やかに医療機関を受診してください。
- 6時間以上おさまらない、強い痛みが続く
- 発熱や悪寒(さむけ)をともなう
- 皮膚や白目が黄色くなる黄疸がみられる
- 我慢できない痛みや、嘔吐を繰り返す
これらの症状は、結石によって胆汁の流れがせき止められた状態が続き、炎症や細菌感染が起こっているサインである場合があります。通常の胆石発作は数十分から数時間で和らぐことが多いのに対し、痛みが6時間以上続く場合は、急性胆のう炎などに進行しているおそれがあると考えられています。
胆のうの出口で結石が詰まったまま炎症が進むと急性胆のう炎に、胆管に詰まって細菌感染が加わると急性胆管炎につながることがあります。とくに黄疸や高熱をともなう場合は、注意が必要な状態と考えられます。
痛みが強い、または上記のような症状をともなうときは、様子を見ずに医療機関へ相談することが大切です。
病院で行う検査と治療の選択肢
胆石発作で医療機関を受診すると、まず検査によって胆石の有無や状態、炎症の程度を確認し、そのうえで治療方針が検討されます。ここでは、一般的な検査と治療の選択肢について解説します。
診断のための検査
胆石や胆のうの状態を調べるために、まず行われることが多いのが腹部超音波検査(エコー)です。体への負担が少なく、胆石の有無や胆のうの様子を確認するのに適した検査です。
必要に応じて、血液検査で炎症の程度や肝機能・胆道系の数値を調べたり、CT検査やMRI検査(MRCPを含む)で結石の位置や胆管の状態を詳しく確認したりすることもあります。どの検査を行うかは、症状や状態によって医師が判断します。
経過観察・薬・手術という選択肢と費用の目安
治療方針は、症状の有無や程度によって異なります。
症状のない胆石(無症状胆石)の場合は、すぐに治療を行わず、定期的に経過を観察することが一般的です。一方、胆石発作を繰り返す場合や、急性胆のう炎などを起こした場合には、治療の対象となります。
胆のう結石の治療では、胆のうを結石ごと摘出する手術が選択されることが多く、現在は腹腔鏡下胆のう摘出術が広く行われています。結石の種類や状態によっては、内服薬で結石を溶かす方法(胆石溶解療法)が検討される場合もありますが、適応は限られます。
胆石の治療は健康保険の対象です。手術には出血や感染などのリスクがともなう可能性があり、治療方法や入院の要否は状態に応じて判断されます。費用も治療内容や医療機関によって異なるため、詳細は診察時に確認することをおすすめします。
発作を繰り返さないための予防と食事のポイント
胆石発作は一度起こると繰り返す傾向があるため、日常生活での工夫も大切です。ただし、生活習慣の見直しは発作のリスクを下げることを目的としたものであり、すでにある胆石そのものをなくす方法ではありません。気になる症状がある場合は、あわせて医療機関に相談してください。
胆石発作は脂肪分の多い食事のあとに起こりやすいため、揚げ物や脂身の多い肉、バターや生クリームなどをとりすぎないよう心がけましょう。一度にたくさん食べる、早食い、夜遅い時間の食事も胆のうに負担をかけやすいため、量やタイミングにも気を配ることが望ましいと考えられます。
また、食事を抜いて食事の間隔があきすぎると、胆のうの中に胆汁がたまりやすくなります。1日3食を規則正しくとることも、予防の観点から大切です。あわせて、食物繊維を多く含む野菜や海藻などをとり入れる、適度な運動を習慣にするといった工夫も、生活習慣の見直しに役立ちます。
なお、極端なダイエットは胆石ができやすくなる要因の一つとされています。減量に取り組む場合も、無理な食事制限は避け、バランスのよい食事を心がけることが大切です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 胆石発作は自然に治りますか?
胆石発作の痛みは、多くの場合しばらくすると和らいでいきます。ただし、これは痛みがおさまっただけで、胆石そのものがなくなったわけではありません。結石が残っている限り、発作を繰り返すことがあります。
Q2. 一度おさまれば、そのまま放置してもよいですか?
放置していると、発作を繰り返したり、急性胆のう炎などの合併症につながったりすることがあります。症状が落ち着いたあとであっても、自己判断で様子を見続けず、消化器内科や消化器外科で一度状態を確認しておくと安心です。
Q3. 市販の痛み止めで対処してもよいですか?
市販薬で一時的に痛みがやわらぐことはありますが、胆石発作の原因が解消されるわけではありません。痛みをまぎらわせることで症状の悪化に気づきにくくなり、受診が遅れてしまうこともあるため、注意が必要です。
Q4. 胆石があると、必ず手術が必要になりますか?
必ずしも手術が必要になるわけではありません。症状のない胆石は経過観察となることが一般的です。発作を繰り返す場合や合併症を起こした場合には手術が検討されるなど、適した治療は胆石や胆のうの状態によって異なります。
まとめ
胆石発作は、胆のうにできた結石が胆汁の流れをせき止めることで、みぞおちや右上腹部に痛みが起こる症状です。脂肪分の多い食事のあとや夜間に起こりやすく、多くは数十分から数時間で和らぎますが、痛みがおさまっても胆石そのものがなくなったわけではなく、発作を繰り返すことがあります。
痛みが6時間以上続く、発熱や黄疸をともなうといった場合は、急性胆のう炎や胆管炎などに進行しているおそれがあるため、速やかに医療機関を受診してください。また、こうした症状がない場合でも、胆石発作を経験したら、落ち着いた段階で早めに消化器内科や消化器外科に相談することが大切です。
みぞおちや右上腹部の痛みが気になる方、健診などで胆石を指摘されている方は、自己判断で様子を見続けず、一度医療機関で状態を確認しておきましょう。
